「十四山中学校校歌」
昭和58年4月、十四山中学校に入学した当初、多くの先生から「校歌を作詞した串田益夫は串田君と関係があるのか?」と聞かれ「はい、父です!」と答え、ちょっと鼻が高くなったのを覚えている。時代はめぐり令和元年、自分の息子(益夫の孫)も全く同じ経験をしたからおもしろいものだ。
父益夫が昭和29年に入学した際には校歌がなかった。校歌を作るため生徒から歌詞を公募し選ばれたそうだ。もちろん「♬千載洋々、木曽の流れに・・・」の歌いだし部分や難しい言葉は、中学生が作ることのできる言葉ではないので、父が作った文章を専門家が校歌らしい歌詞に変えてくれたそうだ。
振り返ってみると多くの学校行事の節目には必ず校歌がそばにあり、その場の空気を律する力があった。丸坊主にしたばかりの同級生の顔を見ながら歌詞が分からず「口パク」で笑いながら歌った入学式の校歌、3年間の思い出と新たな門出に不安を抱えながら涙で歌った卒業式の校歌。様々な思い出と記憶がよみがえる。
十四山中学校の伝統と校風とともに毎年、バトンのように在校生から新入生に受け継がれてきた校歌。閉校しても卒業生の中学時代の記憶とともにメロディーと歌詞がBGMで流れ続ける。♬母校の名誉に 生きぬかん 十中 十中 十四山中学校
記憶とともに母校の校歌を大切にしていきたい。
串田 崇